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コラム

【イベントレポート】京都文化博物館 特別展「新選組展2022—史料から辿る足跡」を取材してきました!

2022年10月1日から2022年11月27日まで、京都文化博物館で開催中の特別展「新選組展2022—史料から辿る足跡」。

展示では新選組の結成から瓦解まで、5章にわたって隊士たちの実像に迫っています。新選組好きのスタッフ小山が取材してきました!

会場内は撮影禁止ですが、今回は取材ということで特別に許可をいただきました。私が気になった展示品をいくつかご紹介していきます。

土方歳三の生家では代々「石田散薬」という薬をつくっていました。その製造に使われていたのが写真にある道具です。

幼い頃の土方は薬の販売の手伝いをしていたそう。道具箱を担いで、せっせと売り歩く姿が目に浮かんできます。この石田散薬のロゴを使ったパッケージのラムネが、会場内の特設ショップでグッズとして販売されています! ※人気商品のため、品切れの場合はご容赦ください。

続いて見つけたのは、元治元年(1864)に起きた池田屋事件での、新選組の活躍に対して出された褒状(ほうじょう)。

「6月6日、浮浪の者どもが不埒な企てをしていた時、新選組が速やかに出陣して悪徒を討ち取ったことが将軍の耳に入りました。新選組はこれからも一層忠義を尽くして奮闘するように」という内容です。

この褒状は幕府からの通知で、写真右側に記載の「松平肥後守」(松平容保)を経由して新選組へ伝えられたのではないかと推察されています。くずし字が読めるようになれば、もっと史料が面白くなるのに……!とちょっぴり悔しさを感じました。

こちらは元治元年(1864)の蛤御門の変の火災で焼け焦げた鉦(かね)。今も祇園祭で聞こえてくる「コンチキチン」という音色は、この鉦によるものです。約160年前、御所近郊の蛤御門で長州藩と薩摩・会津などの連合軍が戦い、京都市中が「どんどん焼け」という大火災に巻き込まれました。その被害を示す鉦が今でも見られるなんて!と歴史ロマンを感じずにはいられません。

そして今回の展覧会の目玉を発見! 土方歳三が使用していたとされる刀「銘 和泉守兼定」です。現代人の私からすると、本当にこれで人を斬れるのか……?と考えてしまいますが、土方はこの刀を相棒に、幕末の動乱を生きたのでしょう。こちらの展示は11月23日までとのことなので、お見逃しなく。

新選組が京都を離れた後の、隊士たちの進路も展示の終盤では紹介されています。なかでも近藤勇の最期を記した史料は、悲惨な姿が描かれていて胸がぎゅっと締めつけられる思いでした。

小説やドラマなど創作上で親しまれている新選組。今回の展示では実際の史料を通して、隊士たちの生きた姿を知ることができました。隊士たちが書き記した書状もたくさん展示されていて、一つひとつをじっくりと見ると半日はかかるのではないかと思うほどの充実ぶりです。2023年は新選組結成160周年。今後もまだまだ注目していきます!

(文・写真 小山美奈子)

 

■展覧会情報
「新選組展2022—史料から辿る足跡」
会期 開催中~2022年11月27日(日)
会場 京都文化博物館 3・4階展示室

 

■施設情報
京都文化博物館
京都市中京区三条高倉
開館時間
【総合展示】10:00~19:30(入場は19:00まで)
【特別展】10:00~18:00 ※毎週金曜日は19:30まで延長(入場は各30分前まで)
休館日 月曜日※祝日の場合は翌日

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