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コラム

道に触れ、私を見る朝。

目が覚めるほどの雨音。
何もなくても、切なくなるような真っ白な空。

梅雨の金曜日。早起きしてお茶のお稽古へ。

先生に無理を言って、朝いちばんのお稽古をお願いしている。

ご挨拶をして、
お客さんの席に座って、
先生がたててくださるお茶を一服いただくのが、
お稽古の始まり。

先生を待つ間、誰もいない部屋。
電気は消してある。
湯が沸く、小さなシューという音と、降りやまない雨音が響くだけ。

薄暗いこちら側から、
葦戸を通して見える庭が美しい。
雨粒が濃くした木々の緑。
鎖樋をつたう滴の輝き。
モノトーンのような色数の少ない風景が
私の正面に黙って広がっている。

今日のお軸は、
「放下著(ほうげじゃく)」。

大雑把に言うと、「捨ててしまいなさい」という意味。

何を?

プライド、思い込み、こだわり。
恥ずかしいと思う心。
こうありたい、こうあらねば、と思う自分。

 

 

お客さんが終わったら、いよいよ自分でお茶をたてる。
何度やっても、いっこうに覚えられないのだけど、
姿勢が曲がっていること。
復習してこなかったこと。
無駄な動きばかりしている現代人の美意識と思いやりのなさ。
自分を振り返って、気づかせてくれる。

 

〝道〟って、こういうことなのかなと、思う。
梅雨空、庭、和室の設え、日本人が作り出した茶道という文化。そして先生。

今日もいろいろなことを感じたい。

私に気づきをくれるすべての事柄に、
感謝しよう。