column

コラム

雨恋し。写真のこと。

朝、空を見て折り畳みの雨傘を手にしたのに、
午後には日傘を持つべきだったなと後悔…。

そんな日が、今年の梅雨は多い気がします(天気予報をちゃんと見たらいいのですけど)。

家の前に咲いているガクアジサイも、水が足りないようで、
梅雨真っ盛りにもかかわらず、花は枯れてきました。
ガクの方は色あせて、アンティークのような風合いになっていたので、
久々にカメラを取り出しました。

こうやって見ると、みずみずしくはありませんが、花びら(ではなくガク)の重なりが、透けて見えてきれいです。これも梅雨の景色ですね。

というわけで、少しカメラや写真のお話を。

この写真を撮影したのは、私の1号機、NikonD40です。
かれこれ、10年ぐらい前に購入した、デジタル一眼レフの入門機。

私が最初に使ったデジタル一眼レフは、以前勤めていた会社にあったキヤノンEOSKiss。13年位前かと思うので、初代のEOSKissかもしれません。
その頃は、まだフィルムで撮影するカメラマンさんも多くいて、
「やっぱり、デジタルより、フィルムでしょ」みたいな空気もありました。
が、珍しもの好きの社長がある日、買ってきたのです。

使い方はさっぱり分かりませんでしたが(その社長も使ってはいませんでしたが)、

「AVモードで撮ると、背景がぼけてカッコよく撮れる! なんで? AVやから?」

とか、おかしな解釈をして、先輩と遊んでいました。
(今考えると、絞り優先モードが、AVモードだったのです)

その後、関西に来て、ライターになり、
写真も自分で撮れたらなと思い、手始めに購入したのが、D40です。

使い方は、写真教室に行ったり、本を読んで勉強しました。

このカメラのいいところは、小さいこと。
後で分かることですが、上級機と比べても、そんなに機能は劣っていません。ちゃんとした一眼レフです。

ほかにもカメラを買ってからは、もっぱら海外旅行に連れ出されて、
ハードな持ち運びをされるからか、最近、ピントがオートで合わないときがあります。
そういう時は、レンズを一度外して、付けなおせば大丈夫。
昭和のマンガで、うつりの悪くなったテレビを、ドンと叩けば大丈夫、みたいなパターンです。

その次に購入したのが、
同じくNikonのD7000。
これは、フリーランスになって、自分で撮った写真を本に載せたりする機会が増え、
D40では、画質が足りなくなったため。

「ちゃんとしたのを買わなくては」と思い、購入しました。

このカメラで本を2冊撮影しました。

さらに! カメラを変えると、もっといい写真が撮れるんじゃないかと、
自分の腕を棚に上げて、フルサイズ機NikonのD610 へ進化。

このカメラでも、2冊(撮影は一部)の本を作りました。

4冊の本をやっているとき、撮影もして原稿のための取材もしなくてはならず、焦りで汗だく。
とくにお料理撮影時は、冷や汗も出てきてあたふたしてたと思います。パニックで。
お店の人が「大変ね」っていたわってくれるほど、見るからに、余裕がありませんでした。
デジタルの魔法を使って、きれいに掲載していただいていますが、
撮影しても、撮影しても、素人レベルからは脱出できない、と思っていました。
シャッターは押せば切れますが、構図、照明、ピントの合わせ方。
本で勉強するだけでは、分からないことが山ほどあります。
本当にカメラマンさんに失礼だったなと、今にして思います。

このごろは、人物紹介のための写真をパシャと撮る程度で、
大がかりなことはしていません。

恐れ多かったと反省して、「写真も撮ります」とは積極的にはアピールしていないのです。
ライターです。ということにしています。

でも、基本的には好きなので、
もっと上手に撮れるようになりたいと、練習中です。

写真を撮るのは、少し文章を書くのに似ていて、
「自分がいいと思うところはどこか?」を常に探します。
雑誌や広告で使う写真は、これが正解というのがあるのかもしれませんが、
私がこのブログの更新やインスタのために撮るときは、
「〝私は〟どこを見せたいの?」を考えてみます。

誰が書いても、誰が撮っても、同じ文章、写真にはなりません。
個性は出そうとして出すものではなく、出てしまうものだって、
何かに書いてありました。

このガクアジサイの写真からも、きっと「私」がにじみ出ている、のですかね。

もっと上手になって、いつか、ライターが撮った写真ですって、もう一回本をだせたら。

恐れ多くも、思っています。

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