edit & writing

文と編集の杜 実績紹介

2023年からの新しいテーマ。「ふへん×history,culture,and local.」

明けましておめでとうございます。年末の寒波を思うと、とっても穏やかな年明けになりましたね。私は今年も帰省せず、関西にとどまりました。
今年こそ、行きたい場所にあちこちふらりと出かけたいものです。

年末年始、いやずっと前から考えていたのは、「文と編集の杜」はこれから先、どうあるべきか。どうなっていくべきか。なんと大げさな!とお思いでしょうが、大真面目です。こんな小さな会社にできることは限られていますが、せっかく存在しているのです。書いたり、編集したりすることで何か世の中の役に立ちたいという思いは、ブレずに持ち続けています。

数年前まで、会社の年賀状には次の年に大切にしたい言葉を書いてきました。ですが最近は年末までバタバタしていることが多く、これという言葉が思いつかず、「読みものをつくります」という会社のキャッチフレーズを連呼してしまっていました。ところが、年明け、少し時間ができて考えてみると、今私が大事にしたいことは、「ふへん」なんじゃないかと思いました。

世の中の流れは相変わらず早くて、新しいもの、言葉、方法。流行はどんどん生まれてくるけれど、その波に乗るのは、私にはできない。正直しんどい。ならば無理せずに、私のようなタイプが、今も、未来も大切にしたいことは何かを考える方がむいているんじゃないか。その何かが私にとっては「ふへん」という言葉でしっくりきました。
俗世とは関わりません!と言っているわけではないんです。私が思う「ふへん」は「流行」の根底にもきっとあって、それを見つけてみるのは、私にとっては楽しいことになるだろうと。

次の謎は「ふへん」って「不変」?「普遍」かな? そもそもそれって意味違うの?と言うわけで調べてみました。

「普遍」…全体に広く行き渡ること。例外なくすべてのものにあてはまること。「人類普遍の原理」⇔特殊
「不変」…変わらないこと。また、そのさま。不易。「不変な(の)真理」⇔可変。
(いずれもデジタル大辞泉)

私はずっとそれらをごちゃまぜにしていて、「いつも変わらずみんなにとって大事なこと」が「普遍」だと思っていたのですが、違うんですね。だけど、「不変」も「普遍」も両方あるべきじゃないか。ずっと変わらず大切にしたいこと、みんなで共有して大切にしたいこと。それを考えてみよう。と思います。だから「ふへん」とひらがなにしておきます。

じゃぁ、どうやって?
だから何するの? と段階的に掘り下げるのは、編集癖でしょうか。「ふへん」を大きなテーマにするとして、さらにテーマを派生させました。

それが、

history,
culture,
and local.

です。
かっこつけて英語で書きましたが、歴史と文化とローカルです。
私が好きなテーマを並べただけ、その通りなのですが、これらを「ふへん」を軸に掘り下げていこうと思います。具体的に述べます。

まず、「歴史」。
私は昔から歴史学が好きです。その理由を書き始めると、ものすごく長くなるので割愛しますが、とにかくとても大切だと思っています。私は学者さんではないので、専門的に掘り下げることはできません。でもただのライターとして、歴史を多くの人に知ってほしいと思っています。このまま「歴史は暗記科目だからつまらない」で終わる人を増やしてはいけない!と思うのです。
そのため、文と編集の杜で歴史の読みものに触れる機会を増やします!

そして「文化」。
なくなってしまうと、取り戻せなくなる。そのことに気が付かせてくれたのは2022年にお手伝いした2冊の本でした。『京都のおばあちゃんたちに聞いた 100年後にも残したいふるさとレシピ100』(大和書房)では、たくさんの“おばあちゃん”たちが、地域の食材を使って家族に手作りしてきた料理を教えてもらいました。「郷土料理」として歴史に刻まれるものではないかもしれません。だけどこれこそ、ふるさとの味。受け継いでいきたいと思いました。「丁寧な暮らし」とか言いますが、おばあちゃんにとってはそんなの「普通」「当たり前」のことなのです。いつの間にか、簡素化した暮らしに慣れてしまって、「誰かを想って何かをすること」が遠ざかっていました。それを日常に取り戻したい。
それから『京都 二条城と寛永文化』(Living History in 京都・二条城協議会編 青幻舎刊)。歴史が文化とどうかかわりあって、現代をつくり上げているのかを、ひしひしと感じました。過去に生きた人たちの気持ちを今感じるには、文化を体感することが欠かせないんだとも。文化は文字で読んでいるだけでは、わからないことも多い。かく言う私も、普段はパソコンに向かって文字を打つばかり。やってみて、間近にしてわかる。その機会を逃してはいけない。
と言うわけで、文と編集の杜では、まずは自ら文化を体感します!

最後に「ローカル」。
コロナ前、あちこち外国に出かけていました。そのもう少し前には外国の方のショートステイホストのボランティアもしていました。それは、単に自らの知見を広めるためだったのですが、2021~22年には取材で国内のあちこちへ行かせていただきました。それぞれの地域の方とお話をしてみて、目からうろこ。歴史、文化、産業……日本って面白い!と実感しました。まだまだ知らないことだらけなんだと。そろそろ外国に行きたい虫も騒いでいますので、飛び立つと思いますが、国内も(国外も)しっかり学ぼうと思った次第です。
ゆえに、文と編集の杜ではローカルの魅力に注目します!

これら全部を、言葉のちからを集めて形にしていくのが、2023年の初めに考えたミッション。
図にするとこんな感じ。↓↓↓↓

これをテーマに、事業を再構築したり、新しいプロジェクトを立ち上げる予定です。
できることは、そんなに大それたことではないかもしれないけれど、少しずつ積み上げて、2023年が終わるとき、少しでも理想に近づいていたい、そう思います。どうぞ、2023年もお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

株式会社文と編集の杜 取締役 瓜生朋美

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