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店と催し 雨露

【ご参加ありがとうございました!】下鴨中通ブックフェア2025

4回目の参加となりました下鴨中通ブックフェア2025。
10月12日に出店してまいりました!!

文と編集の杜のブースでは、自社出版本や文具雑貨を販売のほか、ワークショップを開催しました。

●描写で遊ぼう
ひとつの物をさまざまな言葉を用いて「描写」するワーク。何個表現が見つかるかな??

 

●読みものリレー
読みものの「続き」をリレーのように書きます。どんな結末に向かっていくのか、それは最後までわかりません!

 

読みものリレーは、24のお話しがつながっていきました。
【ルール】

接続詞カードを一枚ひき、その接続詞を文頭に使用し、前の人のお話しにつなげて文章をつくります。
※接続詞なしの場合もあります

書いてくださったお話をご紹介します。

・10月12日、日ようび。
本好きな私は、運命の一冊を探しにブックフェアに来ました。

 

・ところで、最近句会に参加するようになりました。
季節を意識しながら暮らすのは楽しいです。

 

・とはいえ、ダラダラと過ごしてフラッとでかけてアイスコーヒーを飲んで家に帰るのは
どんな季節でも変わらず満たされる1日だ。

 

・そしてまた来週からがんばれる活力をたくわえている。
明日からは京都をでて旅に出る予定をしている。
行き先はまだ決めていない。

 

・しかし急ぐ必要はない。
人生は長いのだからのんびり考えてゆく。

 

・ところで、明日は雨らしい。
ブックフェアでは、明日家で読む本を見つけよう。
旅のお伴になる本を買えたらなお嬉しい。

 

・たまたま手に取った料理本。
栗の渋皮煮の作り方がのっていた。
栗と言えば丹波か。行き先は決まった。

 

・ところで、どうやって行こうか?
私はあまり関西の路線に明るくない。
とりあえず西へ向かう。
来た電車に乗るのもよいだろう。

 

・ところが、どのホームに行くべきか。烏丸線で京都駅まで行ったはいいものの、そこから先に進めない。そもそも、どこにどの電車が来るのか、見当もつかない。

 

・そんなとき、駅構内にあった生オレンジジュースの自販機で、ジュースを一杯買って飲んでみた。

 

・ところが、ジュースではお腹がはらない。何か食べたくなってきた。がまんできず、わたしは改さつから飛びだした。

 

・けれども、私は今日初めて京都駅に来たので、どんな店があるのかわからない。
頭を働かせすぎてますますお腹が減ってきた。

 

・ところで、「空腹」とは面白い概念である。人間は誰しも胃という珍妙な、滑稽な形のぶよぶよの中にブラックホールを飼っているのである……。

 

・加えて脳。どこぞで豚のそれを見たことがあるが、あのしわくちゃになった脂の塊がやれ丹波だの、やれ飯を食いたいなどとものを考え始めるのは一体どういう世の理屈なのだろうか。そもそも脂というのは——
——腹が、減った。

 

・この空っぽな胃袋を、一杯にしたいよ。三大栄養素とか気にせずにね。そうだ、ここから北に向かえば、ラーメン二郎があるんだっけな。二郎が食べたい。豚のエサをむさぼる豚になりたい。

 

・とはいえ、豚肉を食べれば豚のようになる訳ではなかろう。そもそも豚のエサというのは主にトウモロコシのような穀物である。わたしはキッチンカーのエリアへと歩いていった。サンドイッチ屋は準備中だった。わたしの腹は依然として満たされない。

 

・ところで今、私の前にはたぬきがいる。
なぜ、このようなところにたぬきがいるのか——そんな疑問より、私の頭を占めていたのは、タヌキ汁を食べたいという衝動であった。

 

・加えてキツネうどんも食べたくなってきた。
するとびっくりたぬきの形がみるみる変わり、ふたつに分かれた。
今、私の目の前にいるのは二匹のキツネである。

 

・けれども実物のキツネを実際みてみると、キツネうどんのことを忘れ、故郷の景色が浮かんできた。
それは、あの伝説の日のこと……。

 

・ところで、今日の夜ごはんは何にしよう?

 

・おそめのお昼ごはんは電車の中でおにぎり2個。
夜ごはんは、これから行く八瀬の赦免地踊の会場近くで探したいな。ちょっぴりぜいたくに。

 

・私の考えるぜいたくはほんの些細なもので、たとえばハイボールをコークハイにするとか、そのくらいのこと。
でも今日は違う。ワンピースをあの人がほめてくれたから。

 

・すると、電車の外で降っていた雨が止み、一筋の光がさしこんできた。私の気持ちはさらに明るくなっていく。
あたたかい日差しを受け、おにぎりでみたされたお腹を抱えて、うつらうつらとしはじめた。
気が付いたら電車を乗り過ごし、見知らぬ駅に着いていた。

 

・すると、導明のしずけさの中に、どこからか香ばしいにおいが漂ってきた。魚だろうか。誘われるように電車を降りる。最寄りの駅はとうに過ぎている今、私を妨げるものは何もないのだ。うつらうつらとしている間に、郊外まで来てしまっていたらしい。どこか懐かしい町並みの間を縫うように歩く。家々からは夕飯の仕度らしい水と皿の音が聞こえる。
香ばしいにおいは、もう目の前へ来た。暖簾に赤ちょうちん。見知らぬ町で、ひとつ吞んで帰る。これもぜいたくというものかもしれない。
私はこの暖簾をくぐることにきめた。

 

見知らぬ方からのバトンをつないで、24のお話しがリレーされました。
どのような展開になるのかは、最後までわかりません。
ブックフェアのブースを見終わったあとに、まだ文と編集の杜のブースに戻ってきてくださった参加者様も!!

私たちスタッフも、書いてくださったお話しをもとに会話を楽しむことができました。

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

そして京都府立京都学・歴彩館のスタッフの皆様、大変お世話になりありがとうございました。

 

次回、11月15日(日)滋賀県大津市にて開催の湖都の葉マルシェにてワークショップを行います。

kotonohamarche_flyer

 

ぜひ、遊びにきてくださったらうれしいです。

 

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