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コラム

「言葉のちからを集めよう」プロジェクトについて

言葉のちからを集めよう。

「文と編集の杜」では毎日読みものをつくっています。思えば毎日毎日、原稿に追われ、楽しいような、苦しいような。時々「やめたいな」と言ってみたりするものの、やめる気はおこりません。すぐに頭の中をぐるぐると言葉がめぐります。それは結局、「書くことの難しさ」よりも、「伝えたい」という思いが勝っているから。言葉のちからを信じているからだと思います。

最近特にその想いを強くしています。
コロナ禍で人と距離を取らなくてはならないこと。
考えの違う人の理不尽に生活が脅かされること。
それもこれも解決するには、「言葉のちから」がいる。
私には、お金も、武器もない。
いや、本当にそれで解決できるのか。不安を感じます。

小さな存在である私には、そんなたいそうなことはできません。
ただ、言葉を生業としているものとして、そのちからを信じて、
ちゃんと伝えること、伝えるときにちゃんと考えることを発信しようと。
だから言葉のちからを集めようと思いました。

街にあふれるどんな言葉も、どこからか発せられて、どこかに届く。
ささいな会話も
広告のキャッチフレーズも
日々のニュースも。

そのキャッチボールを確かなものにしましょう。
刺々しく、人にささる、投げっぱなしの言葉は、もうやめましょう。

言葉は、人の考えを知り、知識を増やしてくれるもの。
共感して、優しくなったり、悲しみをいやしたり、怒りを覚えたりするもの。

いろいろな人の言葉に耳を傾けて、心の幅を、深さを大きくして、受け止めましょう。かみしめましょう。
大きなことはできませんが、小さなことからコツコツと、つまり私にできることをするプロジェクトです。
一人でも言葉のちからで、穏やかに暮らすことができるように。私の小さな平和維持活動です。
(株式会社文と編集の杜 瓜生朋美)

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