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コラム

さよならニューヨーク。今日はFinal Debate

いつまでそっちで遊んでるの?とそろそろ言われそうですが、16日間の滞在を終えて、今JFK airportでフライトを待っているところです。JFK airportのJFKはつまり、ジョン・F・ケネディ。1963年11月に暗殺された第35代大統領。この空港はそれ以前からあったのですが、同年12月から、この大統領の名を冠する空港になりました。9つのターミナルがあり、規模は全米一。ひっきりなしに飛行機が離陸し、着陸しています。
日本で、総理大臣の名前を空港につけるなんてこと、考えられるでしょうか。何かの名前についてもせいぜい橋ぐらいかなと思います。それだけこの国の大統領は特別な存在なのです。きいた話によると、アメリカでは会社員であっても、各自で申告をして納税をするそう。日本のように会社がしてくれて、いくら払っているかよくわからない、ということではないので、税金のハナシには敏感にならざるを得ません。さらに、保険もオバマケア以前は、国民皆保険ではありませんでした。現在も問題点が山積みのようですが、病気になっても安心して治療ができない、という人もいたのです。どんな人が大統領になり、どんな政策をするのか、日本よりも肌で感じる人が多い、ということは言えるのではないかと思います。そして、日本と大きく違うのは、大統領は4年の任期、再選は1回だけと決まっています。よほどのことがない限り途中ではやめません。亡くなった人以外で辞めたのは、ウォーターゲート事件で辞任したニクソン大統領のみです(実際にやめさせる手段がないわけではありません)。
これからの8年を託す人を自分たちで選ぶ、その意識は、コロコロと総理大臣が変わっていた日本とは全然違います。

ここは夢が叶う自由の国なのか? セントラルパークの南側や5thアベニューの高級品の店が並ぶあたりを歩けば、映画やドラマで見るような「素敵な」ニューヨークを見ることができ、ハーレムで食事をしていると、「食事を分けてくれ」と通行人に声をかけられる。それも同じニューヨークの姿。黒人、白人、アジア系、南米系、中東系などなど、本当にいろいろな人がいて、私が一人歩いていても、何の違和感もありません。この国のかじ取りがいかに大変なことか。

今晩、大統領選の最終ディベートが行われます。空港のテレビでもその話題が流れています。こちらの報道でも、ヒラリー優勢と伝えられているようですが、本当にそうなのか、わかりません。私は、私の国の話ではないので、どちらにも肩入れしませんが、5thアベニューにあるトランプタワー(ビルですけど)はにぎわっていたし、記念に写真を撮る人もいました。イギリスのEU離脱だって、蓋を開けてみるまで分かりませんでした。メディアの論調がすべてではないのです。

ブラックベリーを買ったら、半分腐っていました。バックを買おうとしたら、ストラップがついていなかったので、店員にきいたら、「時々取られちゃうのよ」と言われて、私にくれました。この国では「Buyer Beaware」という言葉があるそうです。買う人が、気を付けて選ぶべきという意味です。大統領選はお買い物ではないでしょうが、ここは自己責任の国。さて、どちらに決まるか。海の向こうからその選択を見守るとしましょう。

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