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店と催し 雨露

【オープン!オープンデイ便り その6 大阪編集教室さん】

「ライターになるにはどうしたらいいですか?」本当によく質問されます。

そうすると、私はだいたい「書けばいいんです」と言います。

意地悪してるわけでもなんでもなくて、それしか方法がないんです。ライターになるには、試験もなければ、資格もない。

「ライターです」と言う度胸と、名刺とパソコンがあれば、とりあえずはなれるのです。

私もそうやってなりました。仕事として成り立つかどうかは別の問題です。

「書けばいい」と言いましたが、書くために必要なことが、二つあると私は思います。
一つは読むこと。

世の中には文章がこんなに溢れています。いいと思う文章も、そうでもない文章も。いろんな文章に触れること。いいな、分かりやすいなと思ったら真似をしてみます。

もう一つは、自分の書いたものを読んでもらうことです。そして、いろいろと指摘をしてもらうこと。

私は十数年前、「大阪編集教室」のライターコースに通っていました。
ライターや編集者を目指す人たちのためのスクールです。

「インタビュー」とか「ルポ」とか、同じテーマで、受講生が文章を書きます。
書いて提出すると、待ち受けるのは講評。
新聞記者、ライター、作家、編集者などなど、いろいろな講師の方が、書いたものについて指摘をしてくれます。
ほかの受講生が書いた人に質問する機会もありました。

誰だって自分が書いたものに何かを言われるのは、気持ちがいいものではありません。
そりゃそうです。自分ではこれがいいと思って書いているのですから。
「それはあなたの感覚でしょ」とか、「そんな無茶な」とか、思ったりもしますよ。今でも。
だけど、「そう感じる人もいる」ことがいることを知るチャンスは、なかなかないのです。

私は仕事なら、「ウソ」と「違法」にならない限りは、受け入れるようにしています。

書くことを仕事にすると、文章そのものに指摘を受けることはだんだんと無くなります。
何か言われる前に、その仕事はたいてい来なくなるか、勝手になおされてしまうからです。

ほら、指摘してもらうのって、幸せなことでしょう。気にされないなんて、寂しいじゃないですか。

ライターになりたいなら、たくさん読んで、書いて、誰かに読んでもらう、それしかないと思います。

土曜日か、日曜日だったか。とにかく休みの日に大阪に行くのがしんどくて、休み休みでしたが、まだ駆け出して、初代の名刺を持っていたころの私が通っていました。どうやったら、ライターになれるのか…と、私に聞いた人たちと同じようなことを思いながら。どっかにチャンスが落ちてないかと、ギラギラしてたかも(笑)。

で、「オープン!オープンデイ」に、「大阪編集教室」の文章ゼミに通っている人たちが作った冊子を展示させていただいています。
文章を書くことについて、悩んで、書いてみて、指摘されて、気づいて、書き直して。

うっすらとしか見えなかった読者の顔を、はっきりさせようと苦労しているのがうかがえます。

5号届いていますので、“コロナあけ”、「店と催し 雨露」で、ぜひ読んでみてください。

タイトルは「souda」。

“そうだ!” 書けばいいんだってことでしょね。

(文・写真:ちくしともみ)

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