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コラム

京都桜日記2016 その1

2016年4月2日。今年最初の桜撮影に出かけた.
まだ鴨川は六分咲き、ところにより八分といった感じ。
歩いていると、まだやなぁと思うけど、
それでも咲いている部分を見つけては写真を撮る。そしてうっとり春の訪れに酔う。
さすが桜だ。私も含めて誰もがちょっと浮かれてる。

鴨川には普段から人が多いけど、桜を目当てにこの日もたくさんの人がいる。
いつもは単なる川、それでも京都にあれば、風情があるってことになるのだけど、
この時期はその風情も倍増。
ズドンと太くて長めのレンズを付けて、枝垂桜を狙うカメラおじさんや
色打掛を着て、ウエディングフォトを撮る人たち。
川端通を歩く人たちは、まばらに咲いたピンクの花を夢中で見つめている。
あぁ、春になったんだな。

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四条大橋を渡り、木屋町通へ。高瀬川の桜はすでに満開だ。
飲み屋さんや、いろんな(!)お店が立ち並び、雑多なムードの木屋町。
大人になって京都に旅行に来たとき、「京都にもこんなところが!」と驚いたほど。

でも、京都で働いてみると、木屋町も当たり前ながら京都の一部。
ただごちゃごちゃしているだけでなく、そこにもやっぱり京都風な何かがあるような気がする。

だって、そんな雑多な(しつこい?)場所にある、元・立誠小学校が立っているのは、土佐藩邸の跡地。
今ホテルオークラがある場所は長州藩邸跡地だから、坂本龍馬や桂小五郎が駆け抜けたんだろうな。
そもそも、この高瀬川は、江戸時代初期に角倉了以が伏見から物資を運ぶために作った運河。
京都を潤した大動脈、なのである。

以前このあたりで店を営んだことがある人に取材したとき、昭和の木屋町あたりは今とはちょっと雰囲気が違ってて、ちょとした下町的な、隠れ家的な店があるようなエリアだったと聞いた。
立誠小学校が廃校してから、いろいろな種類の店ができてしまったとも。

高瀬川沿いは、桜を見る人、仕込みや配達の途中で休憩して、煙草を吹かす人。さまざま。
ドレスを着て写真を撮っているきれいなお姉さんも。
これは・・・ウエディングの写真・・・なのかな??

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こちらは山科駅。
ここからはハイキングに行く人が多く、中高年が大集合。
駅前のロータリーにしだれ桜が1本あって、まだ五分咲きといった様子。
(写真はよく咲いてるところのみをアップにしてる)

でもひょっとしたら古木で、これで精一杯なのかもしれない。
春が来たことを祝うように、力強く、生命力たっぷりに花を輝かせるのではなく、
時間の流れに身を任せて、さりげなく、おしとやかに咲いている枝垂れ桜。
木を取り囲む形のロータリーは、いつも車でいっぱいで、桜にとっては心休まるような環境ではないけれど
そんな場所で咲いている姿が、ちょっと切ない。

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