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コラム

料理人 西田和弘さん「『あの人は、この魚好きやろうな』、そう考えながらの買い出しが好きなんです」

「加夢居」のカウンターに座りお酒を頼んだら、さぁ今日は何にしようか……。仕事終わりの、これが楽しみな時間。

こちらは、海鮮と日本酒が自慢の居酒屋さん。腕を振るう西田和弘さんは、毎朝、卸売市場に買い出しに行くのが日課です。「おいしそうやなと思ったネタをどう料理したら、お客さんが喜んでくれるだろうと考えるのが楽しい」。あの人はこの魚、好きだろうな。お客さんの顔を思い浮かべながら吟味します。

そんな西田さんの手元にあるのが、この世界に足を踏み入れた高校生のときから使っているレシピノート。教えてもらったり、考案した料理を書きとめたものだそう。「今でも、調味料の配合とかをこのノートで確認することもあります」。一時、料理から離れたこともありましたが、その時も手離すことはありませんでした。

今日一日、いい日だったなと思うのは「お客さんでいっぱいやった日」。隣り合う客同士の会話が始まって、打ち解けあう様子を見ると、「そうやって輪ができていくってすてきやなと思います。放っておいてもいいしラクというのもあるけど(笑)」。カウンターの中から、お客さん同士が笑いさざめき、会話をする姿を見るのもまた、料理人としての喜びです。(文・写真 内山十子)