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コラム

料理人 土屋吉範さん「僕には、初心にかえれる料理があるんです」

万寿寺通高倉近くの路地奥にある「ビストロ ルサンジュ」。こちらのオーナーシェフ・土屋吉範(よしのり)さんが出身地の埼玉を離れ、京都で料理人になったのは偶然が重なってのことでした。

今から約20年前。知り合いを頼って京都にしばらく滞在したとき、アルバイトでもしようと思った土屋さんが唯一採用されたのがホテルのルームサービス係だったそうです。そこで出会った料理人が「男気のある人で、かっこよかった」ことから料理人に憧れを持つようになったのだとか。その後、何軒かでの修業を経て、2010年、北野白梅町で自身の店をオープン。5年後の2015年、現在の地に移転しました。

「お客さんと会話をしながら料理を作ることが楽しい」と言う土屋さんは、ご自慢のブビンガ材の一枚板のカウンターを挟んでお客さんと相対します。土屋さんと話していると、たびたび出てくるのが、修業先の1軒であるフランス料理店のシェフの名前。「いろいろな料理を教えてもらいました。うちでも出している『魚のカレー風味のグラタン』もその一つです。これがうまく作れると、自分も真面目に料理をしているなって思えるんです」。土屋さんにとって初心にかえれる一品。そのシェフには食べてもらったのでしょうか。「いいえ。アレンジして濃い味付けにしているから、シェフの好みじゃないかなぁと思って(笑)」。土屋さんの料理の基本は、お酒に合う、しっかりとした味付け。私は土屋さんの思惑にまんまと乗せられ、今日もお酒が進んでしまいます。(文・写真 内山十子)

京都のグルメ
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