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コラム

御料理 辰むらの「折詰弁当」 

「きれいに詰めるもんだなぁ」と思ったのは、数年前のお正月。「御料理 辰むら」におせちを依頼したときでした。12月31日にお店で受け取り、新幹線にのって福岡にある夫の実家へ。翌日、1月1日にお重の蓋をあけたとき驚いたのを覚えています。たくさんの種類の料理が乱れることなく、きちんとおさまっていたのです。しかも、食べても、食べても、その下からまた別の料理が出てきます。まるで宝探しのようなワクワク感。料理人の技を垣間見ることができる、この美しい「重詰め」は、仕出しの文化が残る京都ならではだと思います。

おせち以外でも、その美しい料理を店の外に持ち出せるのが、折詰弁当(税込み3500円)です。内容は「その日の店の料理を凝縮して、彩りよく」と大将。いわば、お品書きのダイジェスト版。写真を撮影した2月25日は、ホタルイカ、モロコ、ソラマメと、春を感じさせる食材が、だし巻きや茄子の田楽の合間に顔を出していました。お店のカウンターで、お酒を飲みながら味わうのもいいですが、爽やかな日の鴨川ランチに、また春の花見のおともに味わう辰むらの料理は、また一味ちがった美味しさがあります。新幹線に持って乗りたいからと、注文される観光客の方もいるそうです。(文・写真ちくしともみ)

※予約は前日までに。1個から対応してくれます。2019年3月の情報ですので、詳しくはお店に確認を

取材協力
御料理 辰むら
URL
https://www.facebook.com/tatsumura.kyoto
インタビュー
御料理 辰むら 川村吉辰さん
URL
https://bhnomori.com/column/1334/

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