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コラム

青い海と空と、ぼんやりした私。ハワイ日記 vol.2(とりあえず最終回)

さて、ハワイへは、マラソンをするためだけに行ったのではありません! 観光もしました。

そもそも、ですが、私は南国パラダイスなど無縁な女です。泳げませんし、日焼けも嫌ですし、買い物もさほど興味なし。歴史好きなので、歴史を感じる場所が好きなのです。世界史の教科書に載っているような。

なので、海外へはいろいろと旅しましたが、ハワイは初めて。

ところが!

到着するなりすっかりハワイのとりこ。
ヤシの木がすっと伸びて、海と空が青くて。


ぼーっとするには、それだけあればいい。
空港へ行く電車の中でも原稿を書くほど、仕事は詰まっていたのですが、
すみません!まったく仕事のことなど頭をよぎりませんでした。
そのくらい、頭と体のネジは緩みっぱなし。

こんなことは初めてです。恐るべし、リゾートの魔力。

いきなりワイキキのショッピングセンターでビーチではけるサンダルを購入。
もう、これがないとここでは楽しめない、と思いました。
(どの店に行っても、いろんな種類のビーチサンダルがズラリ。日本から持っていってもいいですが、現地で自分のために買ってもいいお土産になります)

ノースショアでウミガメを見たり。
ドールプランテーションでパイナップルを食べたり。
ショッピングセンターでやってるフラを見たり。
小さなデザート屋さんでアサイーボウルを食べたり。
食べて、見て、食べて、見て。
楽しい!すっかりハワイに骨抜きにされました。

そして、マラソン前日の夕方、ワイキキビーチを軽く走ってみたところ、
こんな気持ちいいランニングってある!?
明日もこんな感じで走れちゃうんじゃないの!と錯覚したほど。

海、空、太陽。
普段の自分にないものがどっと押し寄せてきて、
「あぁ、老後はここで…」と真剣に考えました。

結論。ハワイ最高。リゾートに浸って暮らしたい、です。

 

 

ゴールの先に?

そして、翌日マラソンで、地獄を見たのですけども。
(何もかも自分の準備不足のせいですが)

42.195kmは距離も時間も長い。
ゴールにひたすら向かう間、「この先には何があるのかな」ってずっと考えていました。
これをやった先に。

忍耐力が身につく?
すごい御褒美がもらえる?
悟りがひらける?

やってみたところ、何もありませんでした。

達成感と筋肉痛があるのみ。

時間が経ってみると、このときの達成感は、すでに思い出。
(なんだかたいそうに、かっこつけて1日振り返りをしてしまいましたけどね)

だけど、何もないけど、走って良かったのです。
単に「これができた」ことが、なんだかうれしい。

損とか得とか、そういうことばっかり考えてしまう毎日の中で、
そういうシンプルな経験ができて良かったと思います。
こういう財産を増やしていく、人生にしたいなと思いました。
ホノルルマラソンは、参加の抽選がなく、制限時間もない、参加したい人は全員出られる〝超〟市民マラソン。
おそらく私のように、あまりトレーニングを積んでいない人もたくさん出ていますが、ほとんどの人が完走します。

自分の目標タイムを目指して走る人。
会社のコマーシャルTシャツを着て走る人。
音楽を演奏しながら走る人。
ずいぶん高齢とお見受けする人もいました。

走りたい人のすべてを、ホノルルマラソンは受け入れてくれます。

私もこのまま走り続けて、数年後またチャレンジしたいと思います。

大切なのは、先を急ぐことではなく、続けること。
これがマラソンで得た学びでした。
それから、もう一つ発見。やっぱり言葉って力があるなと思いました。
後半ずっと音楽を聴いていたのですが、
英語の歌は、やる気が出ませんでした。(英語力があれば、結果は別でしょうが…)

足を進めてくれたのは、日本語の歌詞。

 

「疲れて歩けないんなら 立ち止まってしがみついていれば
地球は回っていって きっといい方向へ 僕らを運んでくれる

どんな人にだって心折れそうな日はある

「もうダメだ」って思えてきても大丈夫 もっと強くなって行ける」
(Mr.Children 「足音~Be Strong~」作詞作曲:桜井和寿)

 

 

「自分の限界がどこまでかを知るために 僕は生きてる訳じゃない

だけど新しい扉を開け海に出れば 波の彼方にちゃんと〝果て〟を感じられる」
(JUJUバージョンで聴きました。「Hello,Again~昔からある場所~」作詞KATE 作曲藤井謙二、小林武史)

「がんばる私」にすっかり酔っていたので、歌の歌詞がダイレクトに私を応援してくれているような気になって、
繰り返し聴いて、エアカラオケしてました。

帰ってきて、振り返ってみると、こうやって言葉って人の心に届くんだなって実感しました。

この力、素敵。欲しい。

 

ありきたりですが、1人でも、きちんと誰かの心に届く言葉を紡いでいきたいなと、
寒い寒い京都の冬空を眺めながら、心の底から思う、クリスマスイブです。

 

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